「奇跡のリンゴ」

「奇跡のリンゴ」 石川拓治著
を読んだ。

無農薬の”奇跡のリンゴ”を作り出した木村秋則さんの物語。

まだ誰も無農薬栽培などやっていない30年前に無農薬リンゴの栽培を始めた。
失敗、貧乏の極み、気がおかしくなるくらいの苦しみに強いられるのだけど、
意地ともいえる”無農薬リンゴを育てたい”という夢をどうしても諦められない。
行き詰まり死のほうが楽だと選択するが、
いろんなヒントに助けられ苦悩の果て乗り越え、何十年もかけて奇跡を起こす。


もちろんその夢への階段、辛さを乗り越えたすごさなど
すごいと思うことはてんこ盛りで込み上げてくるものがたくさんあったのだけど、
その中でも強く心に響いたことがある。



病害虫に侵されリンゴの木が枯れて今にも倒れそう、
もう尽くす手が見つからない限界だと思ったとき、
木村さんは一本一本木に語りかける。
「無理をさせてごめんなさい。
花を咲かせなくても、実をならせなくてもいいから、どうか枯れないでちょうだい」と。
試行錯誤の上何十年もたって実がつくようになったのだが、
あの時、声をかけられなかった木は一本残らず枯れてしまったのだ。


ガイヤシンフォニーをご存知でしょうか
地球と対話する人たちのドキュメンタリーを映像にしたオムニバス映画。
その中に、トマトと心を通わせ愛情をかけ1粒のタネから1万3千個も実らせた野澤重雄さんの物語がある。
"おいしく育ってくださいね”と心から愛情をかけて育てたトマトは
常識を遥かに越えた数の実をつけた。



愛情は見えない、けどそれは必ず必要で必ず伝わるもの。
"見えない力”は存在している。

全てのものに命があるし、
その力が世界を豊かにしているのだと思う。



木村さんのリンゴを食べた著者の言葉がある。
「甘さとか、酸っぱさとか、香りとかの話ではない。
・・・それ以上の何かがそのリンゴには充ち満ちていた。
無理矢理言葉にするなら、生命とでも表現するしかないもの。」

苦労の果てにつかんだ無農薬リンゴ、
そういう魅力だけではなく、木村さんが心を込めて、
愛し続けて愛がいっぱいつまったその命の味を味わってみたいと思った。




私も少なからず自然と関わらせてもらっている。
走っている中でやっぱり波はある。
それは自分の身体的な都合だけでないのは痛いほど感じている。


自然には確かに息があり、
その呼吸が自分の心で感じることができない状態であると
自然エネルギーは決してふってはこない。
ちゃんと愛情をもって気持ちで接していれば、
どこから溢れてくるのかわからない底知れぬエネルギーをくれる。
涙が出てくるくらいの楽しさの中走ることができる。

自然がそういうエネルギーを持っていること忘れてはいけない。
なぜロードでなくトレイルランニングをやっているか、
それは走るのが好きだからではなく、
そんな自然の命のエネルギーを感じることができるから
忘れちゃいけない
忘れちゃいけない
そう強く思った
2009/11/29(Sun) 18:08:25 | 日記

Re:「奇跡のリンゴ」

ナルさま

是非読んでみてください^^
あのエネルギーはどこからやってくるのでしょうかね?もしかしたらそれも自分自身の気持ちに委ねられているから楽しいのかもしれません。
愛することを忘れずにいたいですよね
ぴろり(2009/12/01(Tue) 23:37:28)

Re:「奇跡のリンゴ」

中沢さま

農業!命あるものと関わっていくのは大変だと思いますが、その分やりがいがあると思います。
応援しますっ!
楽しんで向っていってください
ぴろり(2009/12/01(Tue) 23:34:12)

Re:「奇跡のリンゴ」

読んでみます。山に行きトレイル走るとすごいエネルギー貰えるのがわかります。巨木を見ると周りに発するパワーで足を止めて触れてみたくなります。エネルギーをもらうからこそちゃんと愛することも考えたいと感じてます。
ナル(2009/12/01(Tue) 01:18:33)

Re:「奇跡のリンゴ」

私もこの本は読みました。そして来春から私自身、農業の世界に踏み出します。もちろん無農薬、無化学肥料で。鈴木さんも同じ本を読んでいたんだと知って嬉しくなりました。迷いがない訳じゃないけど少し勇気づけられました。と同時に自然の息を感じ取る努力を怠ってはいけないと、改めて肝に命じました。
中沢(2009/11/30(Mon) 22:37:41)

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